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イシダ博物館【社会】

はかりの歴史

・はかりの近代化に貢献したロバーバル機構とロードセル

天秤も桿ばかりも、物を乗せるのはぶらさがった皿の上。これでは皿より大きなものがはかりにくく不便です。いちばん都合がいいのは釣り型ではなく支え型、つまり上皿型。これを可能にしたのがロバーバル機構です。これは十七世紀のフランスの数学者ロバーバルが発見した平行運動機構。これが応用されるようになったことによりハカリは画期的に変化していきます。まず、最初にその威力を発揮したのが上皿天秤。これはロバーバル機構をそのままハカリにした構造になっています。また、上皿桿ばかりもその後出現しました。さらに、大きな、かさばるものの計量を可能にするため開発されたのが台ばかりです。その起こりは一七七四年、イギリスのジョン・ワイヤットによるもの。てこを何段にも組み合わせれば、どんなものでもはかることができ、はかり台の大きさに限界がなくなったためトラックや機関車の重量までもはかれるようになりました。はかりの種類としてもうひとつあげられるのがバネばかりです。基本となっているのはバネの伸びが荷重に比例するという「フックの法則」。20数年前までは、バネばかりがはかりの主流であり、現在では商業用としてはかなり少なくなっており、高精度のはかりはほとんど電子化されています。

そのきっかけとなったのがストレインゲージ・ロードセル。それまで工業用として用いられていましたが、消費社会の高度化と精度向上の要求に応えるため採用となりました。これはアルミ合金でできた起歪体と、センサーの一種であるストレインゲージから成るもので、特に起歪体はこれひとつで「バネばかりのバネ機構(フックの法則)」と「ロバーバル機構」を合わせもっています。もちろん、フックの法則を利用しているのですから、重力差の影響を受けますが、電気的な調整が可能という画期的なものなのです。ロードセルの実用化はハカリの性能をさらに向上させました。精度・安定性・耐久性、どれをとっても優れていて、コンピュータによるデータ処理も容易にできるようになりました。今やハカリはコンピュータとしっかり手を取り合った情報機器のひとつとなっています。これを可能にしたのがロードセルだといっても過言ではありません。現在も最新の技術によって次々に生産されているこの口ードセルは、それまでのハカリの歴史に支えられて誕生した計量センサーの新しい主流です。そして、未来に向かって今も歴史を刻み続けています。

 

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